グリーンサブとバットマンジュビリーに狙いを定めた私はとにかく足で稼ぐマラソンスタイルを継続した
来店
「グリーンサブかGMTの青黒探してて」
「生憎…」
「そうですか、また来ます」
をひたすら繰り返すという回数重ねるだけマラソン、今思えば本当によく買えたなと思う。
幸い営業職をやっていて外勤が多かったため時間が空けば回った
・小田急百貨店
・京王百貨店
・新宿高島屋
・新宿伊勢丹
・東京大丸
・銀座並木通り
・銀座シックス
・銀座三越
・日本橋三越
・日本橋高島屋
・東急渋谷
・六本木
・千葉そごう
・横浜そごう
・横浜高島屋
とひたすら上のやり取りを繰り返した。
最初は「30になるタイミングでロレックスが欲しくて」、「今はタグホイヤーしてるんですが、そろそろもっといい時計欲しいなと思って」、「子供産まれたので記念に」とどこぞの転売ヤーみたいな事を話していたが、ある日から
本当にタイミングなら時間かけるだけ無駄なのでは?それよりも数をこなすことに集中しよう
と考え、在庫確認だけするようになった。
そんなマラソンをしていると心も疲弊する、そんな転売ヤーみたいな奴が買えるわけないからだ。
10日目40店舗を数える頃には「何やっても買えないだろこれ」状態に、もうそろそろ諦めも頭に浮かんでいた
その日も「グリーンサブかGMT青黒ありますか?」初見の店員にいつもの定型文を聞いた
「在庫確認してまいりますね」
ん?この店では初めて在庫確認されたな…
「生憎緑はないのですが、黒ならございます、いかがですか?」
「…え!?」
外商や実績のない客はロレックスのプロフェッショナルモデル等案内されるわけないと思っていた頃だっただけにこの時の衝撃は今でも覚えている
私は正直この時覚悟をしていなかったのだろう、今まではなくて当たり前のロレックス、定価100万超えの時計と出会って「しまった」、126610LN、ダイバーズウォッチの原点、サブマリーナーとのエンカウント
正直普段使いするなら間違いない時計、グリーンサブよりも使いやすい事間違いなし。
間違いなくカッコいい、でもHPで何度も夢見たグリーンサブ、バットマンではなく黒サブを買っていいのか?意外と早く出会えたんだからもう少しすれば出会えるかも、100万払うのに妥協していいのか?
そんな自問自答の末
「ご案内いただいてありがとうございます。でもやっぱり1stロレックスはグリーンサブかGMT青黒が欲しいんです。もう少し探してみます。」
「1年の制限もありますのでそれがよろしいかと思います。よければお名刺お渡しします、また寄ってください。」
初めての在庫案内と名刺をいただいた。
もうあれから一年半経つがあの時の胸の鼓動は今でも覚えている、買い物でこんな経験できるんだ。高揚感と後悔とこれからの不安、何ともいえない感覚だ。
この黒サブとの出会いが良くも悪くもロレックスマラソンの沼によりはまっていくきっかけとなった
つづく
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